9月1日といえば有名河口のアキアジ解禁日ですが、いつもなら網走へ直行するはずが今年は工事のために入ることははばかられますし、あまり釣れていない様子なので悩みました。
そこで再び太平洋のアキアジを狙っての出撃ですが、今回は初めての漁港に加えて雨の中での挑戦かと考えていました。
結局、ナビゲーターのイノケンさんから連絡が入り、先週と同じ漁港でも釣りができるとのことで一安心。

釣り場は遥か先
釣り場に到着したのは23時頃だったと思いますが雨は上がって星も見えていましたので、飲み会なのに飲まずに来たというモリさんも加わって遅い宴会の始まりです。
そして楽しい時間は過ぎて、気付いた時には当日の1時半・・・。
少しは寝ておかなければと、解散直後に事件発生・・・・・とあることで、モリさんがふくらはぎの肉離れをしてしまう負傷です。
翌日の釣りに影響がなければと願いながらも、いつの間にか寝てしまいました。

3時半に起床しましたが、モリさんが起きてこないので様子を見に行ったイノケンさんが、痛くて歩けないほどモリさんのダメージは大きいと教えてくれました。
それでもモリさんは準備を始めていたのは、ここまで来て楽しみにしていた釣りをしないなんてことはあり得ないことだったのでしょう。
なんでも簡単に諦めてしまう若者が多い中、私はそんなモリさんに好感を持ちました。

さて、霧に包まれた港内には40人ほどでしょうか、ウキルアーと垂らし釣りが半々といった朝の様子でした。
私達の左で、この日の初ヒットとなるアキアジが釣れたのはウキルアーでした。
準備が遅れていた私もすぐに期待してキャスティングを始めてから3投目の4時48分、だったと思います。
キャストしてすぐにアキアジ特有のゴンゴン・・・2回ほどアタリがあってからすうっと重くなってきました。
少々ドラグが締まっていたのでほとんど走られることはありませんでしたが、見えた魚体は相変わらずピカピカなので、どうしてこんなに銀ピカばかり釣れるのか実に不思議な漁港です。
71cmのオスでしたが重さは4キロ近くもある幅広アキアジで、お腹までウロコでピカピカでした。

この日のヒットポイントは中央部付近で、ウキルアーの人たちがたくさん集まっている私達から30mほど左で時々ロッドの曲がりとタモの柄が動く様子がうらやましくもありました。
早朝は薄っすらと霧に包まれていた港内は、前方に見える南防波堤と時々通る漁船、そして虹が架かることもあってとても神秘的な風景を見ることもできました。
しかし、アキアジの反応はほとんど感じられず、ウグイだけが時々悪戯をしてきます。

防波堤に上って外海を見ると次第に波が高くなってきていましたので、アキアジは港内にきっと入ってくると期待しながら釣り続けていたところ、時々アキアジの跳ねが見られるようになってきました。
その頃モリさんはといえば、ふくらはぎの肉離れが腫れてきて随分と痛そうでしたが頑張っています。
そして日が高くなってくると雲はほとんど消えた快晴の空になってしまい、気温も上がるかと思いましたが風が心地良い秋晴れの爽やかな一日になりました。

10時を過ぎるとほとんど釣れなくなったので帰り始める人も多くなりましたが、私達は釣れなくてものんびりと今年最後のこの漁港の雰囲気を楽しもうと思っていました。
イノケンさんはビーチパラソルまで用意していましたので、なかなか快適そうだなあと思っていたところ、気がつくと眠ってしまっていました。
私達は雨対策にと持ってきていた傘を使って三脚に縛り付けて小さなビーチパラソルをセットしてみましたが、これがなかなか快適でした。

お昼までに全体10本程度の貧果のなか、のんびりフィッシングをしていたとき、隣のイノケンさんからビュッ!すごい音が聞こえてきました。
悔しがるイノケンさんの声にキャスト切れかと思っていましたが、アワセ切れの音だったと聞いて海上を見るとウキが静かに海中に消えていくのが見えました・・・残念。
その後、遠くにウキアジが見えましたが、少しづつ遠くに泳ぎ去ってしまい二度と現れませんでした。

「痛ててて・・・・・」と、時々聞こえてくるモリさんの苦痛は想像するにしのびがたいものがありました。
氷で冷やしながらも釣り続け、痛む足をかばって横になってのりーリングは私達を笑わせるためにしていることではありませんが、笑うしかありませんでした・・・モリさんごめんなさい。

午後からは先端部の垂らし竿が時々釣れている様子で、見える範囲でウキルアーでは一本も釣れていなかったので、この日は15時過ぎまで全体15本程度でした。
結局、14時半頃から片付けを始めて、期待したアキアジの群はやってきませんでしたし、跳ねも全くなくなってしまったので納竿としました。
イノケンさんとモリさんに別れを告げてゆっくりと歩いていると、追い越していく釣人がやはり声をかけてくれます。
外海にも釣人の姿はありましたが釣れている様子はなく、2m以上の高波がテトラポットにぶつかって波しぶきを高く上げていました。
9月3日からは本格的に工事が始まり、今シーズンのこの漁港の釣りは船渡しでもしてもらわなければ不可能、との地元の方のお話です。