相撲に強い興味はありませんが、幕内上位の取り組みは時々観ています。
横綱が3人とも日本人ではないことは今更言っても仕方のないこと・・。
そんなことよりも重要なのは、北海道出身の関取がいないことです。
かつての相撲王国といわれていた北海道に、幕内力士どころか十両力士もいないのが現実です。
場所前から話題に昇っていた旭大星が、場所後目出度く十両昇進を決めました。

NHKでは、北海道ばかりでなく全国版のニュースでも流れていましたね。
それほどに、北海道といえば強い力士のイメージがあるのでしょう。
私が彼(旭大星)を知ったのは、NHKで放映されたフランス人監督の手によるドキュメンタリー映画「A NORMAL LIFE」邦題「辛抱」でした。
2009年の作品で、愛別町出身の元大関 旭国の大島部屋に入門したばかりの若いだけの旭大星がそこにいました。
旭川大学高校柔道部で良い成績を残していた彼は柔道の道に進むつもりだったのですが、周囲の勧めから大相撲の世界に入ってしまいました。
柔道では3年辛抱して強くなったので、相撲も辛抱が大事と自分に言い聞かせながら稽古と雑事をこなします。
当時の体重は90kg程度しかなく、相撲界で183cmの身長は小さい方だったのです。
耐えきれずに半年目には脱走を試みたこともありました。
この映画の中ではもちろん辛抱する大変さが映されていますが、旭天鵬など兄弟子などとの家族的な温かさも感じました。
その後、大島部屋は2012年4月に大島親方の定年退職によって部屋ごと友綱部屋に移ります。
私はこれまで、ずうっと旭大星の番付表や成績を見てきました。
幕下から十両への道は険しく、幕下一桁になっても次の場所には負け越して番付を下げることもありました。
今場所は幕下3枚目だったので、正直負け越すだろうと甘く観ていました。
このくらいの番付になると14時頃なので、簡単に観ることはできません。
それでも何番かテレビ放送を観て、これはいけるかもと思ったものです。
いまや体重は130kgを超え、取り組みを観ていても十両で戦える貫禄さえ感じます。
結果は5勝2敗の堂々たる勝ち越しでした。
幕下は無給ですが、十両になると100万円の月給に付人も付きます。
数年前に旭天鵬が幕内最高優勝を決めた時、会場を出てきた旭天鵬を迎え泣きじゃくっていた旭大星がいました。
旭大星ばかりではなく、その周囲の力士みんなが泣いていたのは印象的でした。
そのようなみんなに愛される旭天鵬のような力士になって、私たちを楽しませてくれることを願っています。
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