黒岳登山というのは初級コースで、子供でも(いや、子供は疲れないから普通の子供なら楽勝)上ることができるって書いてあったなあ。
そんなことを考えながら、休み休み登りました。

枝の先には氷がついています。
これが、陽の光を浴びてキラキラ輝きます。
登山道は陽の当らない部分は積雪があり、陽が当たる部分でも道はぬかるんでいました。
途中ですれ違った方から「頂上は時々雲がかかるが、少し待つと必ず晴れ間が現れ絶景だ」と聞かされ、そんなの見てみたいなあと思いました。
この時点でも、山頂に行く気は全くありませんでしたが・・。
気がつくと、コースの半分ほど来ていました。

この時は、まだ半分かというよりは、もう半分というここまでの苦労を忘れたような気分でした。
といっても、休み休みのスローペースなのはもちろんです。
下山してくる人々と、挨拶を交わすのも登山の特徴ですね。
ほとんどの人と声を掛け合います。
気付いた時には、黒岳登山の写真には欠かせない景色がそこにありました。

まねき岩です。
すでに標高1800mを超えていました。
ダケカンバ帯からハイマツ帯に入ると、一気に見晴らしがよくなります。
おそらく頂上は近いと思われますが、ここまでくるともう行くしかありません。

もう、まねき岩よりも上に来ました。
周囲は雪景色です。
さらに登り続けて・・。
最後に、やや急な積雪の滑りやすい岩場を登りきると・・・。

突然に頂上が現れます!
1984mの黒岳山頂到着です。
絶対に無理だと思っていましたが、やればできるものなのです。

こちらは赤岳方面です。
そして石室方面ですね。

石室に向かう道が続いています。
キタキツネもいますね。
たぶん登山者が餌を与えてしまったのでしょう・・。
人慣れしちゃっています。
こちらは上川方面です。


急な崖です。
そして、下が見えないほど・・・危険なのでこれ以上は近づけません。
時折、ヘリコプターの音が聞こえてきていました。

石室方向に繰り返し荷物を運んでいるようです。その逆かもしれません。
下りて行く時は、崖に向かってあっという間に下って行きます。
時々風が強くなるので、見ていて少し心配でした。
はるか遠く、上川町市街も見えました。

奇麗には見えませんが、大きな建物を目印に位置関係がはっきりとわかりました。
予定していなかった登山でしたが、実はこんなこともあろうかと思いリュックには防寒着や手袋も用意してあったのです。
靴は、普段から登山靴履いています。
ただ、手袋は軍手だったのでイマイチ冷たかったですが。

山頂には祠もあり、小さいですが登山者の安全を見守っているのでしょう。
細くて頼りない鳥居が愛らしいですね。
しばらくは岩の上で山頂の景色を楽しみ、満足したところで下山です。

最も危険なのが、頂上から10数メートル続く積雪の岩場です。
急傾斜なので、時間をかけてゆっくり一歩一歩足場を確かめながら下りて行きました。
名前はわかりませんが、実が生っていました。

こんな高所でも実りが見られ、ほとんど枯れ木の世界がここだけ輝いているようでした。
登りよりはかなり楽だなあと思っていましたが、次第に足に来まして、後半は結構辛いものがありました。
無理をせずに休憩を増やしましたが、体調はよくありません。
トイレに行きたくても、ロープウェイの山頂駅までは我慢です。
それでも何とか、7合目のリフト乗り場に着きました。
もう歩かずに済むと思うと気が楽になりました。

ここまで来ると、山頂駅はすぐそこでした。
下りのロープウェイも10分間隔で運行されていて、改札は行列ができていたので屋上展望台に行くことにしました。
普通の状態であれば3階分とちょっとの階段ですから楽ですが、登山後の足にはかなり辛かった・・・。
手すりを頼りに這い上がるように到着!

ここも、なかなかいい眺めです。
温泉街の向かいの崖に日が射して、ちょっとした幻想的な景色になっていました。
高いのでちょっと怖かったですが・・。
反対側を見ると・・・。

つい先ほど登ってきた黒岳が見えていました。
あんな所まで登ってきたんだと思うと、自分たちの頑張りを褒めずにはいられません。
でも、もう少し2週間くらい早く来ればよかったと思います。
改札に並び、自販機で購入したホットココアを飲みます。
立っているのがしんどいくらい足が弱っています。
ロープウェイ内も立ったままですが、紅葉の美しさに疲れも吹っ飛びました。

温泉街が近くなったところが、今一番見頃なのでしょう。
ようやく到着しました。

駐車場の車も随分少なくなっていました。
登山ではありませんが、数年前の賀老の滝以来の荒れた道の登り下り、大変でした。
雪やぬかるみ、そして岩の滑りがなければ、もう少し楽に登ることができたかもしれません。
でも、山頂に立った時の達成感や途中の風景は、この苦しみを吹き飛ばしてくれました。
登山にはまリそうにみえるでしょうが、もう登りませんよ。
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