朝ドラマの影響もあって、一昨年に余市を訪れた時はニッカウヰスキー余市工場を見学しようと試みましたが、閉館時間が迫っていて試飲のみでした。
今回は時間に余裕を持って、ホームページからガイド付きの見学ツアーを申し込みました。
正式名は「ニッカ余市蒸留所」というそうです。
岩見沢でカレーを食べた後、時計を見るとすでに13時過ぎ・・・。
のんびり国道を走っていたのでは間に合わないと考え、岩見沢インターから高速道路にします。
札幌市内中心部を走行中、右前方に飛行船を発見!

正面の手稲方向に見えましたが、この写真では遠すぎます。
しばらく進むと、飛行船は左へと移動しているらしく、肉眼でもはっきり見えました。

赤丸部分に写っていましたが、点にしか見えないので切り出します。

確かに飛行船だとわかりますね。
この飛行船を調べてみると、メットライフ生命の所有する「スヌーピーJ号」とのことでした。
飛行船なので大きさはありますが、パイロットを含め4名しか乗船できないそうです。
各地のイベントで、抽選によって乗船できるチャンスもあるとのことでした。
札樽自動車道に入ると交通量は少なく、快適かつ順調に走ります。
ただ、ナビによる到着予定時間を見る限り、寄り道はできそうにありません。

小樽市内に入ると急に車の流れが悪くなり、原因はお祭りとわかりました。
ここでやや遅れ気味になりましたが、市内を抜けると再び快調に走ります。
余市町内に入ると、到着予定時間は見学スタートの20分前になっていました。

ニッカ余市蒸留所の正門が見えました。
車から降りると、この日の気温は30℃近くもあったのでムッとします。

この正門の受付で、パンフレットとガイド付き見学者用の名札を受け取ります。
暑いけど、見学者はたくさんいました。

門を抜けると、中はスコットランドです。
テーマパークの様にも見えます。
何度訪れても気持ちの好い広々とした敷地です。
左横に見学ツアー参加者の待合室があります。

中は冷房が効いていて涼しく、こんなに参加者が多いのかと驚きました。
ここで驚いたことが・・・赤ちゃん連れの親子がいたんですが、その赤ちゃんがうつぶせになって床の上でハイハイしていたのです。
きれいにはしてありますが、だれがどこを歩いてきたかわからない床の上で・・・当然ウンコやバイ菌などふんだんにありますよね。
信じられない親の衛生感覚に驚きますが、地べたに座っている人はよく見かけます。
地べたに平気で座る人たちが親になって子育てをすると、私が見たような現象が普通にあるんですね。
15時半になり、ガイドさんと警備員がやってきました。

ガイドさんはハンドバッグ式の携帯型スピーカーを持ち、大勢の参加者に声が通るように調整しながらガイドしてくれます。
入口から入ってすぐにある、特徴的な屋根の乾燥棟です。
場内の見学はできませんが、蒸留所のシンボルとなる屋根があり、内部は大きなかまど構造でピートでいぶしながら大麦麦芽(モルト)が作られます。
ピートをいぶした香りをしみ込ませるため、ウイスキー作りにおいての重要な作業をする棟です。
続いては蒸留棟です。

ここが一番見たかった施設かもしれません。
ポットスチルと呼ばれる単式蒸留器がずらりと並んでいました。
奥から3番目の少し小さいものは、創立当時に使用していたものだそうです。
〆縄は竹鶴政孝の実家が造り酒屋だったので、その風習を取り入れたそうです。

近くで見ると、結構な大きさです。
今も使われており、石炭で直火蒸留するのは難しいので、世界でも珍しい伝統製法とのことです。
気温が高いので、建物の中は涼しくても外を移動するときは大変です。

糖化棟は外観のみの説明見学で、発酵棟の中に入りました。
建物の中はガラスで仕切られています。

ここは発酵タンクが並んでいて、糖化液がここでアルコール度数7~8%になるまで発酵させます。
出来上がると、ここから地下パイプを経由してポットスチルの棟へ送ります。

このパイプは、蒸留棟から発酵棟へ送るためのものです。
次は、旧竹鶴邸です。

洋館の入口に、大きな灯篭があるというのも面白いですね。
ツアーでは外観のみの見学でしたが、帰り際に寄ってみました。

一見洋風な造りではありますが、左に写っている引き戸がいかにも和風です。
この建物は、入口のみ見学可能でした。
続いて貯蔵庫です。

ここは1号貯蔵庫で、創立当時のままに保存されています。
外壁は石造り、床は土のままで一年中温度変化が少なくなるように工夫されています。

保存は樽を使いますが、20年で半分ほども蒸発してしまうそうです。
このことをエンジェルシェアといい、天使の分け前と言って朝ドラマでも解説していました。
現在ここは開放されているので、樽の中は空だそうです。
次はウイスキー博物館です。

ウイスキー貯蔵庫を改装し、ウイスキー館とニッカ館二つの博物館にしたものです。

館内では、ウイスキーについての歴史や製造工程の説明がされました。

一番奥には有料の試飲コーナーがあり、専門のバーテンダーがウイスキーを用意してくれます。
続いてニッカ館に移動して、ここでは竹鶴政孝とリタの物語や、スコットランドで学んだときの資料などが展示されています。

驚いたのが、第一号ウイスキーの展示です。
栓はしてありますが、僅かずつ蒸発しているそうです。
どんな味なのでしょうか?
中には、竹鶴政孝が仕留めたという熊の敷物までありました。

テレビドラマで使われた衣装なども展示されています。
ニッカ館を出て、最後に試飲会場に移動しました。

会場は、外国人の観光客で混雑していました。
ガイドさんの案内もここまでで、試飲時間20分ですが冷房の効いた館内で一休みです。
アルコール3種にソフトドリンクがそれぞれ一杯ずつ楽しめるそうです。

アルコールはスーパーニッカ、竹鶴、アップルワインです。
私は、いつも飲んでいる竹鶴が好みですね。
気が付くと、売店は17時までなので10分ほどしかありません。
といっても、以前来た時にも特に欲しいものもなかったのですが・・。

売店から見た試飲会場のあった建物。
左がレストラン。
レストランは16時までと、夕食は楽しめません。

来た道を、のんびりと引き返します。

日本にいる気がしないほどの異空間を楽しみ、気が付くと見学者も僅かになっているようです。

正門前に到着しました。
警備員の方に記念写真を撮っていただいている見学者もいます。
すでに受付には誰もいませんでした。
少しだけ気温が下がり始め、幾分風が涼しく感じました。