午後からは、熱田神宮かトヨタか水族館か迷いましたが、愛知県に来たからにはトヨタを選ぶしかありませんでした。
トヨタ産業技術記念館前でバスを降りて、300mほど歩きます。
歩いている時は、この地におおきな記念館があることが想像できないような下町風の場所でした。

門があり、突然にレンガ色の博物館のような建物が現れました。
受付を済ませて入ると広いホールがあり、その奥に入口がありました。
初代豊田社長の功績と努力の紹介映像があったので、これを観てから中に入りました。

自動機織り機で、1924年のものです。
当時の技術としては、世界一の機械だったそうです。
館内に入って初めに目にするのは、木綿糸紡ぎの基本でした。

綿花から如何にして木綿糸が出来るかを、係の方が糸車を使って詳しく簡単に説明してくれます。
簡単に言うと、短い毛を束ねて撚りをかけることで絡み合い、丈夫な一本の糸になっていくことを説明してくれるのです。
綿花から均一に糸になっていく様は、何度見ても不思議でした。
そしてその作業を、糸巻き機で手回しから技術の進歩によって自動化されていく様子を、それぞれの担当者が説明してくれました。

機械がここまで大きくなると、動き出した音は話し声が聞こえなくなってしまうほどです。
また、綿花の実がたくさんの工程を経て、洗われ整えてから、初めて紡がれていくことも知りました。
最近の機織り機では、もはや機織り機などとは呼べないようなコンピューター制御による高速運転が行われ、あっという間に写真のようなきめ細やかな布に織られていました。

その繊細さは、工場見学でもしなければ目にすることはなく、普段身に着けたり使っているものがこのように作られていることに驚くばかりでした。
また、機械音の大きさや怖いくらいの動きが印象的でもありました。
繊維機械館を一通り見学して、次は自動車館に続きます。
はじめに、創業期のエンジン製作現場の様子が模型や人形で見ることができました。

詳しく見ると、当時の鋳造・鍛造・切削加工を、わかりやすく解説してありました。
そして、トヨタ初のエンジン試作のシリンダブロックの鋳造の試行錯誤を紹介していました。
トヨタ自動車の創業者豊田喜一郎氏とその仲間たちが、情熱を傾けている様子があらわされていました。
次は、自動車のクレイモデルと言われる原型製作のコーナーです。

このように木で曲線も原寸大で作られていく様子が、何パターンかの工程で表されていました。

最終的には、このような車になるのです。
この車は、トヨタスタンダードセダンAA型という昭和11年に完成させた、トヨタ初の乗用車です。
このラジエータのグリルの大きさは、今の車に似ているところもあります。
次は2階へ上り、2階から全体を見渡せるようになっていました。
ここでは、近代の自動車のすべてがわかると言ってよいほどあらゆる展示がありました。

奥の方では機械音が鳴り響き、エンジンなどの製作現場も見ることができます。
心躍るような場所です。
懐かしい車や部品に会えるような、そんな期待に胸が熱くなっていました。
はじめの展示物は、自動車の基本的な構造がわかるコーナーでした。

シャーシだけなので、自動車の基本的な作りを見ることができます。
今でこそ少なくなりましたが、クラッチの仕組みもわかります。

5段変速のマニュアルクラッチです。
まだまだ見たいものがたくさんあって、時間の心配もしてしまいました。
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